オンライン模倣品対策→
削除申請の前に、権利と証拠を結び付ける
オンライン上の模倣品対策では、疑わしい出品を見つける工程と、その出品がどの権利をどのように侵害しているかを説明する工程を分けて考える必要があります。販売価格が不自然に安い、画像が公式サイトと同じといった兆候だけで、すべての出品を直ちに模倣品と断定できるわけではありません。
特許庁は、現物や購入記録、広告、ウェブページの保存に加え、自社製品についてどの知的財産権を保有しているかを確認する重要性を案内しています。監視開始前に資料を整理しておけば、発見後の社内確認とプラットフォームへの申請を同じ根拠で進めやすくなります。
最初に整理する4種類の資料
権利を証明する資料
商標登録証、意匠登録、特許、著作権に関する資料などを、対象国、有効期間、指定商品・役務とともに整理します。
正規品を確認する資料
公式の商品画像、型番、パッケージ、販売地域、正規販売者、発売時期など、正規品との比較に使う情報をまとめます。
申請権限を示す資料
権利者本人ではなく代理店や外部委託先が申請する場合は、委任状や担当範囲を確認できる資料を準備します。
対象出品の証拠
URL、商品ID、販売者名、価格、画像、説明文、確認日時、誘導元を記録し、ページが消えた後も判断経緯を追える状態にします。
権利台帳は国・権利・商品を対応づける
商標は登録国や指定区分によって保護範囲が異なります。登録番号だけを一覧にするのではなく、どの国の、どの商品やサービスに使える権利かを商品マスターと対応づけます。更新期限や名義変更の状況も併記すると、申請時の確認漏れを減らせます。
商品画像と説明文の利用権限も確認する
出品者が公式画像を無断転載しているケースと、商品そのものが模倣品であるケースでは、使う権利や説明が異なります。画像の著作権者、商品デザインの権利者、ブランド名の商標権者が同じとは限らないため、社内またはライセンサーとの関係を整理します。
発見した出品は、後から再確認できる形で残す
- 出品ページと販売者ページのURL、商品ID
- 確認日時と対象国・プラットフォーム
- 商品画像、説明文、価格、在庫表示の画面記録
- 正規品との相違点と、照合に使った社内資料
- 申請日、申請理由、受付番号、審査結果
- 削除後の再出品や同一販売者に関する記録
画面記録だけでなく、何を根拠に判断したかを残すことが重要です。担当者が変わっても同じ基準で再確認できるよう、証拠ファイルと案件番号を対応づけます。
プラットフォーム登録を先に済ませる
AlibabaのIPPでは、本人・法人情報と知的財産権資料の確認後、対象リンクや侵害を示す追加資料を提出します。Amazonでも権利者向け申告フォームやBrand RegistryのReport a Violationが用意されています。必要条件は各社で異なるため、被害が増えてから初めて登録するのではなく、優先プラットフォームのアカウントと権限を事前に確認します。
よくある質問
商標登録証だけ準備すれば削除申請できますか?
商標登録証に加えて、対象出品、指定商品との関係、正規品との相違点、申請者の権限などを求められる場合があります。最新の受付条件をプラットフォームごとに確認してください。
出品ページが消えた後も証拠を残す必要がありますか?
再出品の照合、社内報告、申請履歴の確認に使えるため、URL、確認日時、画面記録、判断根拠、対応結果を案件単位で残すことが有効です。
海外の登録商標で日本向け出品に対応できますか?
権利の地域性やプラットフォームの受付条件によって異なります。対象国、登録地域、販売先を整理し、個別に確認する必要があります。
