模倣品対策→
商標名がない模倣品は、なぜ対応しにくいのか
アニメ、漫画、玩具、ゲームなどのキャラクターIPでは、権利者が玩具メーカーやアパレル企業などへ商品化を許諾し、正規ライセンス商品が販売されます。一方で、許諾を受けていない事業者が同じキャラクター表現を使い、フィギュア、衣類、スマートフォンケースなどを販売することがあります。
対象出品に作品名、企業名、登録商標が書かれていれば、商標を手掛かりに監視や申告ができます。しかし、販売者が一般的な商品名やキャラクター名だけを使い、商品画像と外見で購入者に認識させている場合、商標キーワードだけの監視では見落とす可能性があります。
公式画像の無断転載と、無許諾商品の販売は分けて確認する
出品ページが公式の商品画像をそのまま掲載している場合と、キャラクターを使った無許諾商品そのものを販売している場合では、確認すべき権利や証拠が異なります。画像の権利者、キャラクター表現の権利者、商品化ライセンスの範囲を切り分けることが重要です。
Copyright Artworkとは
ここでいう「Copyright Artwork」は、キャラクターの著作物、権利者、公開履歴、正規ライセンス商品、対象出品との類似点を一つにまとめた実務用の証拠資料を指します。日本の行政機関が定めた正式な書式や、著作権登録そのものではありません。
目的は、ECモールやSNSなどの審査担当者が「どの著作物が、誰に帰属し、対象商品がどの表現を利用しているか」を短時間で確認できる状態にすることです。キャラクターシートのように外見上の特徴を整理し、初出、公式情報、正規商品、ライセンス関係を根拠資料へ結び付けます。
資料に記載する6つの要素
1. 作品・キャラクターの特定
作品名、キャラクター名、設定上の特徴を整理します。髪・目・衣装・小物・配色など、表現上の特徴を画像と文章で示します。
2. 初出と公開履歴
公式サイト、アニメ、映画、ゲーム、出版物など、キャラクターが公表された時期と場所を、URLや公開日とともに記録します。
3. 著作権者・制作者
IPを保有する企業、原作者、イラストレーターなどを記載します。権利が共同保有の場合は、申立て権限の関係も確認します。
4. ライセンス関係
商品化を許諾した企業、対象カテゴリー、地域など、正規商品のライセンス関係を可能な範囲で整理します。
5. 公式画像と正規商品
公式キャラクター画像と、許諾された商品画像を掲載し、正規に流通している表現・商品との関係を示します。
6. 対象出品の証拠
商品URL、販売者名、掲載日、スクリーンショットを保存します。商品ページが消えた後も確認できる証跡を残します。
髪の色や衣装など、一つの特徴だけで侵害が決まるわけではありません。著作物全体の具体的な表現、公開時期、権利関係、対象商品との類似性を、確認可能な資料で一貫して示すことが大切です。
ECサイトへの削除申請での使い方
プラットフォームごとに申告フォーム、必要書類、審査基準は異なります。Copyright Artworkを共通の証拠基盤として整備し、各窓口が求める項目へ必要な情報だけを転記すると、案件ごとの説明のばらつきを抑えられます。
- 対象プラットフォームの知的財産権ポリシーと申告窓口を確認する。
- 著作権、商標権、意匠権など、対象出品に適した申立て根拠を選ぶ。
- 権利者情報、対象URL、権利証明、比較資料を簡潔にまとめて提出する。
- 提出内容、受付番号、回答、削除結果を案件ごとに記録する。
- 再出品や販売者の移動を継続監視し、証拠資料を更新する。
著作権と商標権をどう使い分けるか
商標権
登録された作品名、ブランド名、ロゴなどが商品や出品表示に使われている場合に検討します。登録区分や使用態様の確認が必要です。
著作権
キャラクターイラスト、設定画、商品画像など、具体的な表現の無断利用が問題となる場合に検討します。
複数の権利
一つの出品に複数の権利侵害が含まれることもあります。対象国、商品、販売方法に応じて、最も明確な根拠を組み合わせます。
証拠資料を継続的に更新する
キャラクターIPは、新しい衣装、シリーズ、コラボレーション、商品カテゴリーが追加されます。初回に資料を作って終わりにせず、公式公開情報、許諾先、正規商品、識別ポイントを更新できる管理体制が必要です。
また、同じ画像や商品が販売者名を変えて再出品されることがあります。対象URLだけでなく、販売者、商品画像、説明文、価格、出現地域などを記録すると、再発監視にも活用できます。
まとめ
商標名が記載されていないキャラクター模倣品でも、具体的なキャラクター表現と権利関係を整理することで、著作権を根拠とした削除申請を検討できます。重要なのは、キャラクターの特徴だけでなく、初出、権利者、正規ライセンス商品、対象出品との類似点を、確認可能な証拠として結び付けることです。
大量のEC出品を継続的に検知し、証拠収集から削除申請、再出品監視まで運用する場合は、Red Pointsの模倣品対策ソリューションもご確認ください。